欧州環境情報

2010年11月1日



玩具規制(EU)

88/378/EC(1988年施行)を改訂した新しい玩具安全規制 (2009/48/EC)が、2009年6月30日に公表された。

新しい指令は、「発がん性や変異原性、生殖毒性(CMR)」がある物質の使用 を全面禁止するほか、ヒ素、カドミウム、六価クロム、鉛、水銀、有機すず化合物などの重金属の使用はEC 基準の半分まで減らすよう求めているもので、2009年7 月19 日から発効し、2011 年1 月20 日までにEU加盟国は国内法を制定することが必要となる。




廃棄物貯蔵施設決壊による汚染問題解決/ハンガリー

ハンガリーのアイカにあるアルミ精錬の廃棄物貯蔵施設の堤防決壊によって汚泥が流出し、周辺地区の汚染およびドナウ川の汚染問題を解決するためにハンガリー政府は、2010年10月7日に欧州委員会の監視・情報センター(MIC)に支援を要請した。

ハンガリーに対して支援すべく、フランス、ベルギー、スウェーデン、オーストリア、ドイツから派遣される5人の専門家による欧州市民保護チームが結成された。

アルカリ性汚泥による動植物への悪影響が心配されるのみならず、汚染した農地回復などのための専門家の派遣を要請した。

欧州連合(EU)の市民保護メカニズムに参加している加盟国はこの要請にすばやく反応し、加盟国10カ国から40人以上もの専門家の派遣の申し出があったという。

→資料@(EUROPAプレスリリース)

→資料A(欧州連合ウェブサイト)

【欧州市民保護チーム】
→資料B(EUROPAプレスリリース)

→資料C(European Civil Protectionウェブサイト)




拡大RoHS指令の拡大化の修正案(EU)

2010年6月2日、欧州議会の環境委員会で妥協案について投票が行われ、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、塩化ビニル樹脂などを規制対象とする案は否決されたものの新たに附表Wに「ナノ銀」と「ナノチューブ」と追加して対象とする案が浮上してきたことを、以前(2010年9月1日号にて)報告した。

水面下で議論されており、当初は10月18日から始まる議会で投票となる予定であったが、これは11月22日から始まる議会で投票されることになった。

また、EU議会の環境委員会は2010年6月22日にWEEE指令の改訂案に投票するために参集している。




EU温室効果ガス削減目標の引き上げ案を提示(英・独・仏)

欧州連合(EU)の温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)排出量の 削減は、2020年までに1990年比で20%削減を目標としている。

これに対して英独仏3カ国の環境関連担当相は、温室効果ガスの排出量の削減目標を30%に引き上げるよう呼び掛け、その内容に関して新聞3誌 (フィナンシャルタイムズ、ドイツフランクフルター・アルゲマイネ、フランスルモンド)に共同で寄稿し、削減対策の重要性を訴えた。




白熱電球禁止はスイスにも波及(スイス)

EUの欧州委員会は2008年12月8日、地球温暖化防止のために域内で家庭向け白熱電灯の販売を2012年までに中止することで合意に達し、EU加盟国が省エネと電気料金の節減を目的とする新しい法律の実施に合意したことに伴い、EU全域で2009年9月1日から旧型の100ワット白熱電球の使用が段階的に禁止され ることになり、2012年までに白熱電灯の販売が禁止となる。

スイスはEUの加盟国ではないが、スイスも分類分けをして同様な規制を施行しており、2010年9月より100ワット白熱電球の販売を禁止し、EUと同じ2012年を目標に一部の例外を除いて、禁止する方向で動いている。